1977年のMr.カラー誕生から今年で40年。模型と密接に関わってきたMr.カラーは「どうやって生まれ、どう変化してきたのか」。当連載では、当社とMr.カラーの歴史をご紹介してまいります。(不定期更新)

前回の第一回では、創業から当社がプラモデル関連の事業を手掛けるまでについてご紹介致しました。第二回の今回はGSIクレオスへの改称からMr.HOBBYブランドの誕生、そもそもいかにプラモデル事業へ参入することになったのか、その詳細に話題を進めます。

■グンゼ産業からGSIクレオスへ

2001年。1971年にグンゼ産業という名称になってからちょうど30年のこの年は、1931年の林大作商店設立から70周年の節目の年でもありました。その70周年を記念して当社は初となるコーポレート・アイデンティティ(以下CI)計画を実施しました。それまでは漢字、カタカナの違いはありながらも『グンゼ』の名前を使ってきましたが、このCI計画で従来とは全く異なる名称、現在の当社名である『GSIクレオス』へと生まれ変わります。

スローガンは「Produce the Future(次代を創る)」

ロゴマークは英字でGSI Creos。CreosはCre・Reo・Eosを合わせた物で、『Create/創造』『Reorient/新しい方向付け』『Eos/ギリシア神話の暁の女神』の3語からなる造語です。この言葉には、暁の女神が夜明けの光を運ぶように、グローバルで洗練されたプロフェッショナルな人材が、新しい商材・ビジネスを創造し、近未来の夢といわれるものを現実に変えていくこと、そんな意味が込められています。GSIはグンゼ産業インコーポレイテッドの略でもあり、同時にGlobal Sophisticated Intelligence(グローバルな洗練された知性)の略でもあります。

 

このCI計画の中でブランド名も新たに誕生しました。それが『Mr.HOBBY(ミスターホビー)』、ホビー部が手掛ける模型関連商品を総称したブランド名です。

それまでの旧称であるグンゼ産業時代、ホビー部の販売する商品のラベルやパッケージには会社のロゴマークのみがあしらわれていました。Mr.HOBBYのブランド誕生に伴い、会社本体とは別に、独自のブランドロゴが作られました。商品のラインナップや形状に変化があったとしても、Mr.HOBBYとはGSIクレオスが自信を持って販売する模型関連商品のブランドであると、いつの時代でも、皆様に安心してお手に取っていただけるよう、このロゴを会社本体のものとともに市場に発信しているのです。

現在、ホビー部では、ご覧いただいている『Mr.HOBBY.com(http://www.mr-hobby.com/)』として、会社本体のサイト(http://www.gsi.co.jp/)からは独立した、ブランド独自のウェブサイトや、各種SNSのアカウントを有し、模型ファンの皆様に情報を日々、お届けしております。

■米レベルと総代理店契約を締結しプラモデル事業に参入

時は先戻り、1931年に生糸などの輸出入からスタートした当社。ホビー系事業の始まりもまた貿易からでした。当時は生糸やストッキングの編み機等、繊維関係の機械などをアメリカから輸入していましたが、その中で物資部という部門ができ、繊維以外の商品や資材も手掛けるようになりました。その事業のひとつとして、1962年に米レベル社と総代理店契約を結び、プラモデルの輸入を始めたのです。
 

1945年に第二次世界大戦が終了すると、プラスチックの普及とともに欧米で模型メーカーが続々とプラモデルの生産を始め、新しいメーカーも増えていきました。木製のモデルキットを発売していたレベルもそのひとつで、1950年代初頭にプラモデルの生産をスタートさせています。

レベルの総代理店をつとめていた1969年のカタログより

1950年代後半には独自に輸入販売する店があったので、レベルの名前はすでに知れ渡っていました。また当時は欧米製品=高品質・高級品という舶来信仰があり、実際にレベルの技術も高かったため、レベル製品は日本にも好意的に受け入れられたのです。レベル社の総代理店事業を皮切りに、当社はプラモデル事業に一気に参入することになるのです。

次回は当社のメーカーとしての第一歩、そしていよいよ、Mr.カラーの誕生についてご紹介いたします。